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野鳥フォトグラファー 菅原貴徳の日々。オーロラの下での生活も昔のこと。まるでオーロラのように儚く行ってしまった。あの経験から、何を生み出せるでしょうか。
by taka_s-birds
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島へ。 -1つ目の島から-
さて、7時間半の船旅の末、たどり着いた最初の島。今回訪れたのは、ロフォーテン諸島という、氷河が削ったことに由来する切り立った地形が特徴の地域で、自称「世界で一番美しい島」です。「自称、世界一」なんて言葉ほど怪しいものはないのですが、実際に訪れてみると先のとがった美しい山々が海面に浮かんでいるようで、本当に美しい絶景が続くのです。

そんな場所なので、この島が見えてきたとき、あまりに平らであることに驚かずにはいられませんでした。後ろに見える山が別の島なのですが、このような島ばかりある中にこの島だけが平らであることが不思議で仕方ありませんでした。
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さて、20時半とはいえ、まだ明るいのでそのまま自転車で鳥を探し始めることにします。

遠くまで磯場が転々とする場所に着くと、多くのガンが採餌しているのが見えました。カオジロガンのようです。ノルウェーで見るのは初めてです。その数、20羽ほど。後に別の群れも飛んできて、40羽ほどになった後、オジロワシが飛んだ際にどこかへ飛び去ってしまいました。
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少数派でしたが、ハイイロガンも何羽か。
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日本で冬鳥として見られるような鳥達にも会いました。湿地を泳いでいたのはキンクロハジロ。
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そして、上空を飛んで行ったのはコミミズク!
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別の湿地にはオナガガモ。
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野生のカモ類は大抵、人を見たらすぐ逃げるのですが、キンクロハジロにしてもオナガガモにしても、直ちに逃げ去る様子もなく。もしかしたら、越冬地で人間から餌をもらっていたのかもしれませんね。

23時、日没。水平線は赤いままで、そのまましばらくすると日の出を迎えます。
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島内では、北ノルウェーの名産、干しダラを作る棚が至る所に見られました。ちょうど、最盛期を迎えているようです。

そんな明け方の海岸で見られたのは、ハシグロヒタキ。
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ミヤコドリも鳴き交わし、
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シギチは他に、キョウジョシギやハジロコチドリ、ムラサキハマシギ、ヨーロッパムナグロもいました。チュウシャクシギも、至る所に入っておりました。早朝にはディスプレイフライトをするジシギsp.(おそらくタシギ)も見られました。

草地にはハクセキレイも。
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そして、実はこれが最も見たかった光景で、ミツユビカモメのコロニー。ロフォーテン諸島のある意味、特産ともいえる光景で、古くから港の魚倉などに営巣をしているようです。漁民からも大切にされており、この建物のように、営巣するための棚を付けて誘導しているものもあります。
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言い方は悪いですが、カモメの糞の臭さと言えばツバメの比じゃありません。せっかくツバメが作った巣を撤去してしまうような国とは考え方が違うようですね。

積極的に人間が作ったものを利用しているかと思えば、ちょっとだけ外れて堤防の中に営巣している者もおり、なかなか個性が感じられて面白いです。
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この島を訪れたのは、ノルウェーで最大のパフィンの繁殖地があるらしい、という情報をもとに、島をくまなく探してやろうという事でしたが、結局、見つからず。どうやら隣接する大きな、船の至らぬ島にその多くがいるようです。その数、60万羽とのこと。残念なようではありますが、島内の漁協のマークにパフィンが描かれていたり、街の紋章が3羽のヨーロッパヒメウの絵であったりと、古くから自然、特に鳥との関係を大切にしてきたと思える場所でした。

そして、朝8時半の船で、次の島へ向かうのです。

by taka_s-birds | 2013-05-16 19:35 | ノルウェー暮らしの日々2012-13
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